8%の勾配を1時間走行した際のタイム差
削減した空気抵抗量
風を騙すフレーム形状
広範囲な風洞実験から、旧モデルと比べた際の新型Émondaの速さが判明した。新型と旧型に大きな差があるのがわかるだろうか? 走行中に生じる空気抵抗が非常に少ないことを示している。そして新型Émondaは風向きを問わず、常に速いこともわかる。
理想をいかに実現したのか
トレックは挑戦を続ける。新型Émondaの目標は、「アルプ・デュエズを飛ぶような速さで駆けあがるバイクを作る」こと。この伝説的な峠を最速で登れるバイクにすることができれば、あらゆるシチュエーションでも速いバイクとなる。重量と空力の完璧なバランスを見つけるのは簡単ではない。最先端のモデリングソフトと新しいカーボンレイアップを用いた新しいÉmondaは、山岳を最速で駆けあがるバイクに仕上がった。
チューブごとに最適化
私たちはまずHEEDS最適化ソフトウェアを用い、最適なチューブ形状の範囲を特定した。そして「軽量」と「エアロ」を両立すべく、数千もの要素を変動させながら各フレームチューブの形状を解析した。このグラフ上の全ての点は、ソフトウェアでシミュレーションしたフレーム形状を示している。
HEEDSを用いたことで、空力と重量のベストバランスの「限界」を見つけることができた。これは「パレート最適曲線」として知られる、グラフ左側のデータ点が作り出す曲線のこと。トレックのエンジニアはさまざまな組み合わせを解析し、試作品を作るべきフレーム形状を特定。ここから理想的なフレーム形状と優れたライドフィーリングの完璧なバランスを求める長いプロセスが始まる。
最先端のカーボン
エアロフレームはより多くのカーボン素材が必要となるが、優れたヒルクライムバイクは重くてはいけない。理想を実現するには、軽量なカーボン素材を新たに開発する必要があった。
新しいカーボン素材を開発するため、数十ものプロトタイプをテストし、最高に軽く、最高に強い素材が出来上がった。トレックの歴史に残る、まったく新しいOCLV 800カーボンの誕生である。
この新しいレイアップにより、フレーム素材の量を減らすことに成功した。Émonda SLRはエアロ形状に進化しながら、何とフレーム重量700gを下回っている。しかも快適性が高く、反応性に優れた特長をまったく損なっていない。
速さのためのパーツ
速いバイクには速いパーツが必要。新型Aeolus ホイールや新しい一体型バー/ステムにもHEEDS 分析を用いて、最もエアロな形状を見つけ出した。これらのパーツはÉmondaを速くするために開発され、SLR 全モデルに標準装備される。
プロライダーの速さのために
Trek-Segafredoのライダーによるテストとフィードバックは、Émondaのライドフィールを磨き上げるために欠かせない。彼らは今後、あらゆる地形で速いÉmondaでレースに参戦する。新型Émondaはトレック最速のクライミングバイクだが、Trek-Segafredoのライダーによって世界最速のクライミングバイクと証明される日が必ず来るだろう。
Émonda SLR
最速で最軽量、坂を誰よりも速く登りたい方に。このバイクは軽量性、優れたライドフィールと高いエアロ性能を併せ持つ。新しい800 Series OCLV カーボンで作られ、フレーム重量は700グラムを下回る。
Émonda SL
バランスの取れたライドフィーリングと優れたハンドリグ。新しいエアロフレーム形状による速さを手に入れた。軽量な500 Series OCLV カーボンの進化系。