コンタドールの知られざる一面 | Trek Bikes (JP)
  1. Loading...

スポーツの世界では、真のチャンピオンは勝つことだけに満足しない。コンタドール自身の名前を冠するこの基金は、サイクリングの枠を超えた、より広い視野を見据えている。

今年のツール・ド・フランスで、アルベルト・コンタドールを応援すべき理由

アルベルト・コンタドール基金は、スペインのピントに本部を持つNPOである。このマドリッドのすぐ南にある人口5万人ほどのピントという町でコンタドールは生まれ育った。学校が終わるとすぐさま家へ駆け出し、制服を脱ぎ安物のサイクリングウェアに着替え、大急ぎでおやつを口にほおばると、夕暮れまでイブニングライドに出かけていた。友だちは幼いコンタドールの走る姿を見て「インデュライン!」と叫ぶ。もちろんツール・ド・フランスを5度に渡り制覇したミゲール・インデュラインのことだ。その後の、プロとして67回の勝利、そしてジロ・デ・イタリア、ツール・ド・フランス、ヴエルタ・ア・エスパーニャの3冠、というコンタドールの偉業によりインデュラインの名声は薄れてしまうことも知らずに。

「アルベルト・コンタドール基金には、僕の名前が付けられているが、僕以外の多くの人々が関わり、彼らによって支えられている」。この基金を誰よりも情熱を注ぐフラン・コンタドール、アルベルトの兄である。フランとアルベルトは、幼い頃から同じ部屋を分け合い、そしてその親しい関係は当時から変わらない。

「フラン兄さんは、この組織の代表である。これまでの彼の働きがなければ、これら全てのことを行うなんてとてもできなかった。彼は、僕のマネージャーでもあるから、毎日いろいろなことを話す。この基金には、彼の情熱と実動が不可欠で、費やす時間もとにかく必要なんだ。彼が自信を持ってここにいてくれること、これはこの組織の基盤となっている」。

2010年に設立され、アルベルトはすでに、4つのグランツール(2007年と2009年のツールを含む)を制覇し、彼をここまで成功させてくれたすべてのことに対して恩返ししたいという感謝の気持ちで溢れていた。彼は、幼少期に両親が悩んでいた資金ぐりを頭に描きながら、より多くの子どもたちに、サイクリングという体験をしてもらいたいと考えていた。そして6才から14才までのためのサイクリングスクールを設立するというアイディアにたどり着く。

「僕が子どもだった頃、まず理解したのは、バイク本体どころかサイクリングウェアすら手に入れるのが難しいってことだった。両親は長い時間働いてくれたけれど、それでも満足の行く機材を買うのは厳しかった。バイクを買うだなんて、夢のようなことだったんだ。だからこそ、この基金は僕にとって大きな意味を持つ。サイクリングスクールなんて当時はなく、皆はサッカーとレアル・マドリッドにしか目がいかなかった。僕はいま、子どもたちにサイクリングの機会を与えられることを誇りに思っている。それはサイクリングによって私の人生が成り立っているから、というだけじゃなく、バイクに乗ること自体が、人生に必要ないろんなことを教えてくれるからだ。そんなスポーツなんて、他にない」

フランは長い間、弟のキャリアと常に隣で歩いてきた。だからこそ、彼はコンタドールが地域の子どもたちに与えることができる大きな影響も充分に理解している。「僕らはこの基金を2010年に始めた。アルベルトがプロサイクリング界で成し遂げたことを、今や誰もが知っている。彼はその地位にあることを感謝してるから、レースだけではない形で恩返しをしたいと考えている。彼は、人々の心を動かすことができ、自らの力で大きな変化を成し遂げることすらできる。サイクリングは彼の人生であり、情熱だ。だからこそ彼はこの基金を通し、より良い世界を作るために活動できるんだ」。

基金が立ち上がったときから、2つの命題がある。ひとつは、コンタドールが2004年のレース中に見舞われた脳卒中という病気についての認知と意識を高めていくこと。そしてもう一つが、あらゆる活動を通してサイクリングを広めていくことである。

「僕らが行うこと全てが、社会的な責任を担っている」とフランは言う。「スペインでは脳卒中が、第2の死因であるということを、まずは人々に知ってほしい。それに加え僕らは、より多くの人にバイクを好きになってもらい、乗ってもらいたい。バイクは僕ら家族に、大きな贈り物をしてくれた。バイクが、そしてサイクリングというものがなければ、今日の僕らはここにいない」。

そして基金にはもう一つの目標、『Bicis Para La Vida』がある。『人生に自転車を』、という意味であり、コンタドール兄弟は、スペインのいくつかのNPO(Fundación Ananta やFundación Seur y Asociación de Minusválidos de Pintoといった団体だ)とタッグを組み、捨てられたバイクに第2の人生を与えることに心を注ぐ。

コンタドールいわく、このプログラムは1度捨てられたバイクを蘇らせることで寄贈しバイクに新たな役割を与える仕組みである。「スペインのあらゆる地域から、長い間使っていないバイクが寄付されてくる。そしてそれらを集めて分類し、修理する。直ったら、必要とする人々に贈るんだ。難民センター、全寮制の学校、他のNPO団体などにね」。

この組織は、特殊な障害を持つ人でも働ける環境であり、働ける仕事がある。例えばメカニックスタッフだ。これはコンタドール兄弟にとって、まさに家族に関わる事柄でもあった。なぜならば、コンタドールとフランの弟、ラウルは脳性小児麻痺を患っている。この話題について2人は話すことは殆どないが、これは明らかに彼らを突き動かす原動力になっている。

「プロのメカニックを雇うという手もある」とフランは言う。「でも僕らはこの方法を選んだ。僕らのメカニックには、ものすごい意欲がある。彼らは自分たちが社会の役に立っていて、その一部であることを誇りに感じている。なすべき仕事が、いまその手の中にあり、そしてそれが実際にストアでの仕事につながっていくかもしれないんだ」。

基金の本部は、自転車で埋め尽くされた倉庫という、これ以上地味な場所はない。それでもこの場所は、真に美しい思想によって囲われている。『可能性から生まれる美しさ』とでも表わせばいいだろうか。この思想こそが、コンタドールとフランを動かしているものだ。「たった1台のバイクによって、類まれなる人生を創り上げることができる。」コンタドールの人生はまさに、その証人である。

製品の比較用ラック

比較を始める
日本 / 日本語
You’re looking at the 日本 / 日本語 Trek Bicycle website. Don’t worry. We’ve all taken a wrong turn before. View your country’s Trek Bicycle website here.